引き出しに入れるのと、別の部屋に置くのが、こんなに違うとは私は知りませんでした。引き出しは開ければいいから開けて、別の部屋は立って行かなければいけないから、行きませんでした。距離ひとつが、意志より強かったのです。
スマホを別の部屋に置くと、使っていないときもスマホが占めていた注意が、戻ってきます。スマホが机の上にあるだけで集中課題の成績が低く、かばんのなかより、別の部屋に置いた人がいちばん高かったという研究があります。目に見えれば手に取り、手が届けば確認し、別の部屋にあれば、立ち上がらないといけないので行かない。寝室はドアの外、食卓は引き出し、机はかばんのなかが基本の配置で、一週間やってみるだけで、違いが感じられます。
ある研究で、参加者に集中の要る課題を出し、スマホを三つの場所に置かせました。机の上、ポケットかかばん、別の部屋。スマホは三つの場合とも電源が切れているかサイレントで、誰もスマホを使いませんでした。ところが成績は、別の部屋に置いた人がいちばん高く、机の上に置いた人がいちばん低かったのです。スマホを使わなくても、スマホが近くにあるという事実が、注意の一部を占めていた。研究チームはこれを、スマホが近くにあるときに生じる認知資源の消耗と説明しました。
この結果の言うことは単純です。スマホを見ないだけでは足りず、スマホがないことが必要だということ。見ないように努力すること自体が、注意を使うのです。
| スマホの場所 | 手に取るのに要る動作 | 効果 |
|---|---|---|
| 机の上、目の前 | 手を伸ばす | 見なくても注意を占める。いちばん悪い |
| ポケット、かばん | 取り出す | 少しましだが、癖で取り出す |
| 引き出し | 開ける | 一度止まらせる。開けたら終わり |
| 別の部屋 | 立って行く | ほとんど行かない。いちばんいい |
寝室がいちばん大事です。ベッドでスマホが手に届けば、寝る前と夜中と朝が、全部スマホで埋まります。ドアの外の廊下やリビングに充電の場所を作り、アラームは別に置けばいい。私は寝室の外に置き始めてから、夜中に目が覚めてスマホを見ることが消えました。スマホを見に立ち上がるのは、面倒ですから。
最初の三日は、一か所だけ決めます。寝室がいい。寝るときスマホをドアの外に置き、朝、出てから見ます。四日目から食卓を足します。夕食のとき引き出しへ。一週間が終わったら、二つを見ます。寝つく時刻が変わったか、夕食が長くなったか。数字は要りません。感じられれば、できたのです。
実験が終わって私がいちばん大きく感じたのは、寝室ではなく朝でした。寝室の外に置くと、朝目が覚めてもスマホがないので、起きて顔を洗い、子どもを起こしてから、やっとスマホを見ます。以前は目を開けた途端30分、横になったまま見ていたのに、その30分が朝の時間として戻ってきました。距離ひとつが、夜と朝を一緒に変えたのです。
二番目に感じたのは、引き出しと別の部屋の差でした。引き出しは開ければいい。だから開けました。別の部屋は立って歩かなければならず、その数歩が、毎回もう一度考えさせます。ほとんどは、ただ行きません。意志が強くなったのではなく、面倒くささが意志の味方になったのです。
スマホを別の部屋に置くとき、家族の電話が心配なら、音をオンにしておけばいい。掛かってきた電話は聞こえて、通知は見えません。
Sumbiの潜水は、スマホをどこに置いても、画面を消しておけば失敗しません。別の部屋に置いて時間を決めて潜れば、その時間はまるごと守られ、掛かってきた電話は離脱と見なしません。距離に時間を足せば、夕方にひとかたまりが生まれます。
寝る前の30分潜水 →仕事の連絡を受けなければいけない日は、別の部屋が難しい。そういう日は、音をオンにして画面を下に伏せておきます。見えないだけで、半分はできています。
保育園からの連絡や、子どもの写真を撮りたいときがあります。これは子育てのなかで学んだのですが、子どもといる時間にスマホが必要な瞬間は、思ったより少ないのです。写真は一日数枚で足り、連絡は音で来ます。残りの時間は、引き出しにあっても大丈夫。
ワンルームなら、別の部屋がありません。そういうときは、高い棚や玄関の靴箱の上のように、立って行かなければいけない場所ならいい。核心は部屋ではなく、動作です。
手放した日の一行。寝室の外に置いた最初の夜、夜中に目が覚めて、手が枕元を探ったのですが、何もなくて、そのまま眠りました。それが初めてでした。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。