夕食の食卓で各自スマホを見ていたある日、子どもがひとりで話しているのを見ました。誰も答えないのに、話し続けていたのです。その晩から、食卓にスマホは載りません。最初の週は気まずくて、いまは一日でいちばん好きな30分になりました。どう始めたのか書きます。
スマホなしの夕食は、食卓から見える場所にかごをひとつ置き、「食べるあいだだけ」という短い時間で始めるのがいちばん長続きします。一日中ではなく、食事の30分で十分。最初の週の気まずい沈黙は、話題をいくつか用意しておけば過ぎていきます。ルールは子どもだけでなく、親のスマホにも同じように適用されます。
一日のうち家族が同じ席に着く時間は、夕食の食卓がほとんど唯一です。しかも短い。30分前後なので、一日中スマホを手放せと言うよりずっと始めやすい。家族で一緒に食事する回数が多い家の子どもが、言語と情緒の面でよい結果を見せるという研究がいくつもあり、その効果は食事そのものより食事中の会話から来ると言われます。スマホが載ると、その会話が消えるのです。
私の家が始めたとき、いちばん難しかったのは子どもではなく私でした。子どもはタブレットが食卓にないことをすぐ受け入れたのに、私はごはんを食べながらニュースを見る癖が手に残っていました。最初の週に三回ほど無意識にスマホを取り、そのたび子どもがかごを指さしました。
決めるのは三つだけ。スマホをどこに置くか、いつからいつまでか、例外は何か。
| 決めること | こうする | だめな理由 |
|---|---|---|
| かご | 食卓の上かすぐ横、全員に見える場所 | 別の部屋だと取りに行くのが面倒で入れない |
| 始まり | 食卓に着くとき、親が先に入れる | 食べ始めてから入れようと言うのでは遅い |
| 終わり | 最後の人が箸を置くとき | 先に食べ終えた人がスマホを取ると、残りが急ぐ |
| 例外 | 急ぎの電話は出るが、食卓を離れて | 例外がないと、親が先に破る |
かごの位置が思ったより大事です。最初は玄関近くの引き出しに決めたのですが、誰も入れませんでした。食卓の上へ移したら、座りながら入れるようになった。見える場所に置くのが核心です。
スマホを片づけると、最初の数日は静かです。話すことがないのではなく、会話の筋肉が固まっているだけ。話題をいくつか用意しておけば、最初の週は過ぎます。
会話が続かなくても大丈夫。沈黙のなかで一緒にごはんを食べることも、スマホを見ながら食べることより、ずっと一緒にいることです。
Sumbiで食卓に着きながらふたりで30分の潜水を始めれば、スマホはかごのなかで画面が消えたまま潜水中になります。時間を満たせばお互いに成功の知らせが届き、急ぎの電話に出ることは離脱ではなく一時停止です。子どもの見ている前で、親ふたりが一緒に手放す夕食になります。
夕食の潜水を一緒に →子どもに「入れなさい」と言う前に、親が先に入れてください。順序が逆になると、ルールではなく命令になります。私は食卓に着きながらスマホをかごへ入れる動作を、子どもに見せます。子どもはその動作をまねて、いまでは私より先にタブレットを入れます。
急ぎの連絡が来そうな日は、座る前に「今日、会社から電話が来るかも」と言っておいてください。そうすれば電話に出るために立っても、ルールを破ったことになりません。黙ってスマホを取るのが問題であって、先に言った例外は子どもも受け入れます。
「食べ終わったから」ではなく「みんなで立つとき」に決めてください。先に食べ終えた人がスマホを取ると、残りの人はひとり取り残された気分になります。最後の箸が下りるまで座っているのがルール。子どもがゆっくり食べる日は、そのぶん会話が長くなります。
いま、うちの夕食は30分から40分ほどです。スマホがあったころは15分で終わっていました。延びた時間のぶん、子どもが一日の話をします。ひとりで話していた子が、いまは返事を待ちます。手放した日の一行。子どもの質問に答えられる夕食だった。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。