私はしばらく、ナイトモードをオンにして、ブルーライトのメガネまで掛けて、寝る前にスマホを見ていました。画面は黄色くなったのに、寝つく時刻はそのままでした。ブルーライトが問題だという話がどこまで本当なのか、そのとき初めてちゃんと調べたのです。
青い光が夜にメラトニンを遅らせるのは、事実です。ただ、スマホ画面の光は量が少なくて、ナイトモードやメガネで得られる効果は小さいか、確認されていない場合が多いのです。眠りを遅らせるより大きな力は、コンテンツの覚醒と、横になる時刻そのものが遅れること。だから光は、最後に扱うのが順序に合っています。
目には、明るさを感じ取って体の時計へ合図を送る細胞があり、この細胞が青系の光に特に敏感です。昼に青い光をたくさん見ると体は昼だと認識し、夜にも見ると、まだ昼だと思ってメラトニンを遅く出します。ここまでは、よく確立された事実です。
問題は、この事実がスマホへ移ってくるときに膨らんだ部分です。実験室ではかなり明るい光を目の近くで長く浴びせますが、手に持ったスマホの画面はそれよりずっと暗い。事実は合っていて、大きさが誇張されたということです。
光の量を比べると、感覚がつかめます。数字は機器と距離で変わるので、おおよその大きさとしてだけ見てください。
| 光の出どころ | おおよその明るさ | 備考 |
|---|---|---|
| 真昼の屋外 | 数万ルクス | 体の時計を合わせる主な光 |
| 曇りの日の窓辺 | 1,000ルクス前後 | |
| リビングの照明 | 100〜300ルクス | 夜につけておくと、こちらの方が大きい |
| スマホ画面(顔の距離) | 数十ルクス | 最大の明るさでも照明より低い |
つまり、夜にリビングの照明を明るくつけたまま、スマホだけ黄色くするのは、順序が逆さまなのです。寝る前の1時間スマホを見た人の寝つく時間が十数分遅れたという研究はありますが、同じ方法で差を見つけられなかった研究も、同じくらいあります。
ナイトモードは、画面の青い成分を減らして黄色くする機能です。ある研究では、ナイトモードをオンにした人とオフの人、そしてスマホをまったく見なかった人の眠りを比べたところ、オンとオフの二群には意味のある差がなく、スマホを見なかった群だけが違いました。光の色より、スマホを見る行為そのものが大きかったという意味です。
ブルーライトのメガネも似ています。役に立ったという小規模の研究と、差がなかったという研究が混ざっていて、複数の研究をまとめて見た結果は、目の疲れや眠りにはっきりした利得を確認できなかったという側です。掛けて悪いことはありませんが、それで夜を守るのは難しい。
夜に光を減らしたいなら、スマホの色より、部屋の照明を先に下げる方が効果が大きい。私は夜9時以降、リビングの照明を半分に絞ったのですが、ナイトモードよりこれの方が眠くさせました。
ナイトモードは光の色だけを変え、Sumbiは、スマホを見ない時間を決めます。30分の潜水を始めておけば、そのあいだ他のアプリを開いたぶんだけ息つぎが減り、画面を消してスマホを伏せておくことは潜水の邪魔をしません。完走した潜水は貝ひとつになり、そのなかで海の生きものに出会います。
寝る前の30分潜水 →同じ明るさでも、ショート動画とオーディオブックでは、頭に残るものが違います。画面を黄色くするより、最後に開くアプリを変える方が、寝つく時刻を引き寄せました。私はメガネを外してアプリを変えてから、やっと差を感じたのです。
スマホより大きな光が、天井にあります。寝る1時間前からリビングと寝室の照明を落とせば、体が先に、夜だと気づきます。スタンドをひとつだけつけておくくらいで十分です。
ナイトモードはオンにしておいてください。損はなく、目が楽な人もいます。ただ、それをオンにしたからスマホを見てもいい、と考えた瞬間、もとの問題へ戻ります。オンにして忘れるくらいが、正しい期待です。
ブルーライト関連の記事は、極端に割れます。眠りを大きく害するという側と、まったく関係ないという側。どちらにも根拠があり、どちらも誇張です。記事を見るとき、実験に使った光の明るさと時間、参加者の数を一度だけ確認してみてください。明るい光を長く浴びせた実験はスマホ画面へそのまま移せず、参加者が十人あまりの研究は個人差に簡単に揺れます。私はそれを知ってやっと、メガネを外せました。
手放した日の一行。青い光を心配しているあいだ、実際に私の夜を持っていったのは、光ではなく指でした。色ではなく時間を変えたら、眠りが来ました。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。