寝る前にショート動画を数本だけ見て眠ろうとして、1時間が過ぎていた夜が、私には数えきれないほどありました。目は疲れているのに頭は冴えている、あの状態が不思議でした。理由を調べたら、光の話だけではなかったのです。
寝る前のスマホが眠りを遅らせる理由は、大きく三つです。画面の光、コンテンツが作る覚醒、そして横になる時刻そのものが後ろへ押されること。最近の研究は、光より、覚醒と時刻の遅れを、より大きな原因と見ています。だからナイトモードだけではうまくいかず、何を見るかと、いつ止めるかを先に変えるのが合っています。
いちばんよく聞く説明が、光です。夜に明るい光を見ると、眠りを呼ぶホルモンであるメラトニンが遅く出るのは合っています。ただ、スマホ画面の明るさは室内の照明や真昼の光に比べれば低い方で、実験で確認された効果は思ったより小さく、個人差が大きかった。寝る前の1時間スマホを見た人の寝つく時間が、数分から十数分遅れた程度と報告する研究が多いのです。
つまり光ははっきりした要因ですが、夜中の1時まで眠らせない主犯と見るには、力が弱い。私の場合も、ナイトモードをオンにして画面を黄色くしたあとも、寝つく時刻はほとんどそのままでした。
覚醒は、頭が起きている状態です。何を見るかによって、スマホは頭を起こしもすれば、沈めもします。問題は、寝る前によく見るものが、ほとんど起こす側だということです。
| 寝る前に見るもの | 頭に起きること | 覚醒の程度 |
|---|---|---|
| ショート動画、リール | 数秒ごとに新しい刺激、終わりがない | 高い |
| メッセンジャー、グループ | 返信の考え、感情が残る | 高い |
| ニュース、掲示板 | 心配と怒りがついてくる | 中〜高 |
| ゲーム | 勝ち負けの緊張 | 高い |
| 長い文章、オーディオブック | ひとつの流れを追う | 低い |
ショート動画が特に難しいのは、終わりがないからです。本は章が終わり、ドラマは回が終わるのに、ショート動画は次の動画が指より先に来ています。止まる地点を画面がくれないので自分で作るしかないのに、眠い頭は、その決断がいちばん下手なのです。
光でも覚醒でもない、三つ目の理由があります。ただ、横になる時刻が遅くなることです。11時に眠ろうとしていた人がスマホを見て12時半に横になったなら、眠れないのではなく、眠る機会を1時間半、後ろへ押したのです。研究者はこれを就寝の先延ばしと呼びますが、一日が自分のものではなかったと感じるほど、夜をつかまえたくなって、ひどくなると言われます。
だから、順序が大事です。ナイトモードは光だけを扱い、アプリを変えるのは覚醒を扱い、時刻を決めるのは時刻の遅れを扱う。三つ目がいちばん大きいのに、いちばんあとに手をつけることが多いのです。
Sumbiは、画面の色ではなく時間を決めます。寝る前に30分の潜水を始めれば、そのあいだ他のアプリを開いたぶんだけ息つぎが減り、画面を完全に消すことは潜水の邪魔をしません。夜9時以降に始めた潜水では、夜にだけ目を覚ます海の生きものに出会います。
今夜の潜水を始める →スマホをまったく見ないのは、最初は難しい。代わりに、眠る前に最後に開くアプリだけ変えてみてください。私はショート動画の代わりに長い文章やオーディオブックに変えたのですが、これだけで寝つく時刻が30分ほど早まりました。覚醒の低いもので終えると、頭が沈むのに掛かる時間が減ります。
何を見るにしても、終わりのあるものを選んでください。一話が終わるポッドキャスト、一章が終わる本、決めた枚数の写真。終わりが来れば、決断の要らないまま、ただ止まればいいのですから。無限スクロールが難しいのは意志が弱いからではなく、終わりを画面がくれないからです。
ベッドにスマホを持ち込むと、時刻の遅れが始まります。私は夜9時以降、スマホをリビングの引き出しに入れるのですが、最初の数日は手が物足りず、そのあとは部屋が静かになりました。アラームが心配なら、小さな目覚まし時計ひとつがその心配を代わってくれます。子どものいる家なら、子ども部屋側のドアを少し開けておくことで、スマホの役割をもうひとつ減らせます。
光、覚醒、時間を一度に全部直そうとすると、最初の週で疲れます。私は時間から押さえ、次にアプリを変え、ナイトモードはいちばん最後にオンにしました。順序を逆にすると、いちばん簡単なものだけやって、いちばん大きいものを残すことになります。
手放した日の一行。眠れないのではなく、眠る時間をスマホに渡していたのです。取り戻すには、決心より引き出しひとつの方が役に立ちました。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。