初めて夕方にスマホを引き出しへ入れたとき、私がいちばん驚いたのは自分の手でした。スマホがないのに、ポケットへ、食卓へ、引き出しへ手が行くのです。それが何日続くのか、そのあと何が来るのか知っていたら、最初の週に三回も諦めはしなかったはずです。
スマホの使用を減らすと、最初の数日はたいてい、ないスマホへ手が伸びる空振り、何かを逃しそうな不安、耐えがたい退屈が、この順で来ます。ほとんどは三日から一週間のあいだに収まり、そのあとに、時間が長く感じられる変化と、眠りが変わる変化が来ます。この反応は失敗の合図ではなく、習慣が変わっていく過程で、先に知っていれば、最初の週を越えられる確率が上がります。
初日にいちばん先に来るのは、手です。スマホがないのにポケットを探り、食卓の上をなで、画面をつける動作を宙でやります。習慣は考えではなく体にあるからです。一日に何十回もスマホを手に取っていた手は、スマホがないからといってすぐには止まりません。この空振りは驚くほど頻繁ですが、そのぶん早く減ります。
二日目ごろ、不安が来ます。誰かが連絡してきた気がして、何かあった気がする。実際に確かめてみると、ほとんど何もありません。この不安は情報ではなく、確認するという行動にくっついていた感情なので、確認しない日が積もるほど減っていきます。
| 時期 | よくある反応 | 意味 | すること |
|---|---|---|---|
| 1〜2日 | ないスマホへ手が伸びる | 体に残った習慣 | 手の行く場所に別のもの(本、コップ)を置く |
| 2〜3日 | 逃しそうな不安 | 確認の行動についた感情 | 決めた時間が終わったら確認し、結果を覚えておく |
| 3〜5日 | 耐えがたい退屈 | 強い刺激のあとの空白 | 退屈な活動を先に決めておく |
| 5〜7日 | 時間が長く感じられる | 退屈がゆとりへ変わる途中 | そのままにしておく |
| 1〜2週 | 眠りと朝が変わる | 習慣が根づく合図 | 時間を少し延ばす |
三日目から来る退屈が、ほとんどの人が諦める地点です。ショート動画やSNSのような強い刺激に慣れた状態でその刺激が抜けると、残りの世界がしばらく退屈に感じられます。本も読めず、散歩もつまらず、家族との会話も味気ない。これは世界が退屈になったのではなく、比較の基準がまだ高いだけです。
私はこの地点で三回失敗しました。三日目の夕方に引き出しを開けたのです。四回目に越えられた理由はただひとつ、退屈なときにすることを先に決めておいたから。皿洗いでした。大したことではなく、手が忙しくて頭がひまな仕事ならいいのです。
五日から一週間のあいだに最初に来る変化は、時間の感覚です。夕方が長くなる。9時から寝るまでが、以前はあっという間だったのに、同じ時間が倍くらい長く感じられます。その次が眠りです。寝つくまでの時間が減り、朝が少し違う。この変化は大きくありませんが、はっきりしているので、ここまで来ると続ける理由が生まれます。
変化が来たあとに、気をつけることがひとつあります。良くなったから少し見てもいいだろう、という瞬間です。その瞬間に寝る前のショート動画へ戻ると、数日で最初の状態に行きます。習慣は消えるのではなく眠っているだけなので、時間を決めておくルールは、良くなったあともそのまま置いておくのが安全です。
この順序は多くの人がたどる、よくある流れであって、全員に同じではありません。不安が強かったり長く続くなら、専門家と話してみてください。
Sumbiでバディを決めると、潜水に成功したときも、息が切れて浮上したときも、その人へ知らせが届きます。三日目の退屈はひとりで耐えると失敗で終わりやすく、ひとりが知っていれば、翌日また始めるのが楽になります。海女はひとりで潜りません。
バディと潜る →スマホのあった場所、食卓の横やベッドの枕元に、本や水のコップを置きます。手が伸びたときつかめるものがあれば、空振りの物足りなさが減ります。私は、引き出しの上に紙の本を載せることから始めました。
まったく見ないのではなく、いつ見るかを決めます。9時から寝るまでは見ず、朝に見る。朝確認したとき何もなかったことを覚えておけば、翌日の不安が減ります。
三日目のための準備です。私の場合は皿洗い。ほかにもストレッチ、紙の本、子どもの隣にただ座っていること。つまらなくてもいい。手が忙しいか体が動く仕事なら、退屈が少し耐えられるものになります。
手放した日の一行。四回目の試みの三日目の夕方、皿洗いをしていたら、子どもが横に来て、何してるのと聞きました。その日初めて、引き出しを開けませんでした。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。