いちばん疲れた日に、いちばん長く見ました。子どもを寝かせると何もする力がないのに指は動き、画面にはショート動画が流れ続けました。疲れて見るのに、見るともっと疲れる。この構造を、私は長いこと知りませんでした。
眠りが足りないと、判断力より、止まる力が先に弱ります。だから疲れた夜ほどスマホを長く見ることになり、長く見たぶん眠りが減って、翌日もっと疲れる。この輪は意志で断ちにくく、疲れる前の宵の口にスマホの場所を決めておくことが、いちばん断ちやすい地点です。
眠りが足りないとき、いちばん先に弱るのは、何かをする力ではなく、していたことを止める力です。研究では、眠れなかった人は、選択を始める能力より、誘惑を断る能力の方が大きく落ちました。スマホは、始めるのに力が要らず、止めることにだけ力の要る物なので、疲れた頭にぴたりとはまるのです。
ここに報酬がくっつきます。疲れたとき頭は、いちばん速くて簡単な気分転換を探しますが、ショート動画は指一本で数秒ごとに新しいものをくれる。本当に休んでいるのではなく、休んでいる気分だけをくれるのですが、疲れきった頭には、その差を見分ける力がありません。
輪は四つの段階で回ります。どこから始まっても、一周すれば最初より少し悪くなっています。
| 段階 | 起きること | 次の段階へ進む理由 |
|---|---|---|
| 1. 睡眠不足 | 前日、遅く眠った | 止まる力が弱ったまま夕方を迎える |
| 2. 疲れた夕方 | やることを先送りしてソファに横になる | いちばん簡単な気分転換へ手が伸びる |
| 3. 長いスマホ使用 | ショート動画とメッセンジャーが果てしなく続く | 終わりを決める力がなく、横になる時刻が押される |
| 4. 遅い就寝 | 覚醒したまま遅く横になる | 翌日、1段階へ |
私の場合、この輪がいちばん強く回ったのは、子どもが熱を出した週でした。夜に何度も起きて世話をし、昼は会社、夕方はスマホ。一週間で一日の眠りが5時間を切り、その週のスマホの使用時間は、ふだんの倍でした。
4段階の就寝時刻を押さえようとする試みが、いちばん多くて、いちばんよく失敗します。その時刻の私には、もう止まる力がないからです。3段階で止まろうとするのも似ています。断ちやすい場所は2段階、まだ力の少し残っている宵の口です。
輪を一度に断とうとしなくても大丈夫。一週間に二日だけ早く眠っても、残りの日の止まる力が少しずつ戻ります。戻った力で、次の二日をつかめばいいのです。
疲れた夜に止まる力は、ひとりでは作りにくい。Sumbiのバディは同じ時間に一緒に潜る相棒なので、潜水を終えればバディに成功が伝わり、浮上したときも、息を整えてまた潜るという言葉が代わりに伝わります。失敗を監視する人ではなく、失敗と成功を一緒に経験する人がひとりいれば、宵の口の小さな決断が、少し軽くなります。
バディと潜る →夜の輪を昼で断つ方法もあります。朝に外で光を10分ほど見て、昼に少しでも歩くこと。体の時計がはっきりすれば夜に眠気が定刻に来て、眠気が来れば、スマホを止めるのが楽になります。私は昼休みに建物の外を一周することから始めました。
疲れたからと夕方にソファで少し眠ると、夜に眠りが来ず、その時間をスマホで埋めることになります。昼寝をするなら20分以内で、午後3時前に眠る方が、夜の眠りを奪いません。
いちばん難しかったのは、疲れた日にスマホを見る自分を責めないことでした。止まる力がすり減ったのは怠けではなく、睡眠不足の結果です。責めれば、その気分を忘れようとまたスマホを見ます。今日は力がないなと認めて、引き出しに入れることひとつだけやれば、その日は十分にやったのです。そうして越えた夜が数日積もれば眠りが少し増え、増えた眠りが、次の夕方の力になります。
手放した日の一行。疲れて見て、見て疲れました。輪を断ったのは夜の決心ではなく、まだ力の残っている夜9時の引き出しでした。
この記事は一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。睡眠や日常生活への支障が続く場合は、専門家にご相談ください。