海女になりたい人が増えています。都会の仕事を離れて済州へ来た人、ただ海に引かれた人。その暮らしへの扉がどこにあり、どう開き、扉の向こうに何が待っているのか。ふたつの学校の課程から漁村契の門まで、公開されている資料から整理します。
済州の海女学校は、済州市が運営する翰林邑のハンスプル海女学校と、西帰浦市が運営するポファン海女学校のふたつです。ハンスプルは職業課程と入門課程を持ち、5月から8月末まで開かれ、職業課程には村の漁村契の推薦状が要ります。ポファンは55歳未満の女性を対象に、7週間ほどの職業課程を運営します。卒業だけでは海女になれません。卒業生は村の漁村契の審査を経て組合員として受け入れられる必要があり、そこまでたどり着くのは、およそ3人に1人です。
ふたつの学校は、運営者と課程が違います。ハンスプル海女学校は翰林邑帰徳里にあり、済州市が運営します。2008年に初めての海女学校として開かれ、潜りを生業にする人のための職業課程と、文化を体で学びたい人のための入門課程を並べて持っています。ポファン海女学校は西帰浦市の法還洞にあり、2015年の開校で、職業の海女を育てる課程に集中しています。
| ハンスプル海女学校 | ポファン海女学校 | |
|---|---|---|
| 場所と運営 | 翰林邑帰徳里。済州市 | 西帰浦市法還洞。西帰浦市 |
| 課程 | 職業課程、入門課程 | 職業海女課程 |
| 期間 | 5月初めから8月末、3〜4か月 | 春に7週間ほど |
| 資格(職業) | 60歳未満の済州在住者。漁村契の推薦状が必要 | 55歳未満の女性。推薦状は加点 |
| 入門課程 | 済州の外からも応募できる | なし |
| 倍率 | 入門は高く、職業は低め | 年による |
| 問い合わせ | 済州市の水産部署 | ポファン海女学校の事務局 |
定員、年齢の上限、期間は毎年変わります。表は公開された募集案内に沿ったもので、応募の前には、その年の市と学校の告知だけが基準です。
訓練は理論と水に分かれます。理論では海女文化、漁村契の仕組み、安全、水産資源の管理を学び、水では浅い海で潜りの姿勢と呼吸、テワクの使い方、サザエとウニの採り方を身につけます。教えるのは、現役のサングンたちです。教科書に書けない海の感覚が、ここでも人から人へ渡されます。
卒業生の言葉は、ほとんど同じです。思っていたよりはるかにきつい。訓練生は海水を大量に飲み、テワクにしがみついたまま波に揺られ、最初の一週間でやめようかと考える人も少なくありません。この課程は、なぜ多くの海女が娘に仕事を渡さなかったのかを、体で学ぶ授業でもあるのです。
なれません。海女とは村の漁村契の組合員のことで、受け入れを決めるのは学校ではなく村です。卒業生はまず数か月、仮組合員や実習生として働き、漁村契の審査を経て正式の組合員になります。限られた漁場を分け合う組合は新しい人を簡単には迎えず、村と縁のない人には、門はさらに高くなります。だから学校は、書類の前に村へ足を運ぶことを勧めています。
ふたつの市がこの数年に公表してきた数字では、職業課程の卒業生のうち、漁村契に入って実際に潜るところまで行くのは、およそ3人に1人です。ポファンの開校以来の数百人の修了生のうち、漁村契に入ったのは90人ほど。残りは体験にとどまるか、加入の壁と初期の細い収入の前で、別の道へ向かいます。
海女学校の最初の授業は、深く潜る方法ではなく、息を整えて上がってくることです。Sumbiの潜水が10分から始まるのも同じ原理で、我慢の練習ではなく、決めた時間に浮上する練習です。Sumbiは、済州海女文化の記録と保存を応援しています。
はじめての潜水を始める →済州市は新規海女の漁村契加入費を上限つきで補助し、若い新規海女には最初の数年間の定着支援金を出しています。西帰浦市も同様の支援を運営しています。金額と条件は毎年変わるので、公式の告知が基準です。
新しい海女は浅い海から始め、収入はわずかです。サングンの位に届くまで何年もかかり、そのあいだ潜りだけで暮らしが立つことはまれなので、多くの海女がほかの仕事を掛け持ちします。海女になるには潜りの技術だけでなく、細い数年を渡る暮らしの設計が要るのです。
生業にするつもりはないけれど、この文化を体で知りたい人のために、ハンスプルの入門課程があります。済州の外からも応募でき、倍率は高め。修了すれば、職業課程へ応募する資格も得られます。
海が教えてくれた一行。海女学校は、深く行ける人より先に、時間どおりに浮上できる人を育てます。スマホの練習も同じ数え方をします。いちばん長く我慢した日ではなく、決めたとおりに帰ってきた日を数えるのです。
この記事は公開資料をもとにまとめた文化紹介であり、数値は参考資料の調査時点のものです。